和文英訳のこつ

2005.9.5

日本に住み、忙しいビジネスの合間を縫って英語の勉強をしているビジネスパーソンにとって、膨大な量の英語を読み、聞くことは不可能です。ネイティブや帰国子女が英語を習得したのと同じステップを踏んでいたのでは、いつまでたってもライティング能力は向上しません。次の3つのコツを意識すると、短期間でライティング能力を向上できます。

理屈に基づく部分は、理屈を覚える(例:時制、冠詞のルール)

習慣に基づく部分は、辞書や用例集を引く(例:用語の相性、語法)
  ライティングの基本ルールでブラッシュアップする(例:簡潔な表現、丁寧な表現)

 

特に辞書の使い方が大事です。よく使う辞書は、以下の3種です。

  I ジーニアス英和辞典
  II 和英辞(英辞郎の和英版)
  III 新編 英和活用大辞典

必要に応じて、その他の英和辞典、和英辞典、英英辞典、英文のデータベース、WEBを使います。

 

基本的なステップは、次のようになります。

  A 日本語に対応する英語、特に名詞を「和英辞」(「英辞郎」の和英版)またはその他の英和辞典で引く
  B 上記の英語を「ジーニアス英和辞典」で引きなおし、用法や用例などを確認する
例: 名詞なら加算か、不可算か
例: 動詞なら主語に人を取れるか、ペアになる前置詞、動名詞やto+不定詞が取れるかなど
  C 日本語の動詞や形容詞が(英語的に)曖昧な場合、名詞との相性を辞書や用例集で確認する
  D 名詞と名詞を結ぶ前置詞など、辞書ではわからない部分を用例集などで確認する

 

「和英辞」を使うのは、見出し語が多いからです。たとえば、「せざるを得ない」という日本語に対応する英語を一般的な和英辞典で見つけるのは大変です。しかし、「和英辞」なら、「せざる」で引くと見つけられます。 大事なことは、「和英辞」で見つけた表現をそのまま使わずに、他の辞書で用法・用例を必ず確認することです。

 

和文英訳の例

5000ドル未満の注文に対しては、10%の割り増し料を請求せざるを得ません。

 

地球の大気は窒素、酸素およびその他少量の気体で構成されており、温度差によりいくつかの層に分かれている。