翻訳家を目指す方へ 2000.5.19
「テクニカルライティングとは」で述べているように、技術翻訳はテクニカル・ライティングではありませが、翻訳の質を高めるには身につけておいて損はないスキルです。しかし、テクニカル・ライティングを身につけても翻訳料が上がるのはあまり期待できません。翻訳家からテクニカル・ライターへの脱皮を目指している方は、テクニカル・ライティング習得は必須です。
翻訳家に求められること クライアントが翻訳家に求めるのは、ある程度の品質で、無理な納期でも納品できることです。正直なところ、品質はある程度あれば、それ以上求められることはありません。つまり、品質を上げても翻訳料はそれほど上がらないのです。したがって、テクニカル・ライティングを身につけても、そのための投資の割には、翻訳料では上がらないと思った方がよいです。
翻訳家を目指すには 翻訳家を目指すには、テクニカル・ライティングではなく、翻訳技術を身につけるのがよいでしょう。翻訳技術を身につけるには、留学するより、翻訳専門の学校に行くことをお薦めします。専門のカリキュラムの方が効果が高いでしょうから。
また、翻訳家の集まる場所での人脈が仕事を得る上で非常に重要になります。そのためには、日本にいて、翻訳家の集まりなどに積極的に参加するのがよいでしょう。
テクニカル・ライターを目指す 翻訳家がテクニカル・ライティングを習得すれば、テクニカル・ライターとして仕事ができます。たとえば、ある製品のマニュアルを日本語と英語の両方同時進行で作成している企業では、日本語からの翻訳ではなく、英文でマニュアルが作成できるテクニカル・ライターを必要としています。フリーで仕事をもらうのは難しいかもしれませんが、大手企業のマニュアル部門への就職は可能でしょう。
テクニカル・ライターとは 定まった定義はありませんが、ここでは、テクニカル・ライティングをもって生業としている方を指しています。事実上、マニュアルライターと同義語です。なぜなら、テクニカル・ライティングを使って文章を書くことでお金を得られる職業といえば、マニュアルライターしか事実上ないからです。 注: 技術的な内容の記事を書いて生業としている人の中に、自らをテクニカル・ライターと呼んでいる方もいます。 |