問題: 「20代の税務署長」おかしい?

2000.11.24

 

問題:以下の意見の問題点を考えましょう。

 

 「20代の税務署長」おかしい  H.K.

 

  大蔵省のキャリアと呼ばれる高級官僚が二十代で地方の税務署長になる人事制度がいまだに続いているという記事を読んだ。

 

  先日、所得税の確定申告のため税務署に出かけ、窓口職員の対応ぶりから、お役所的な冷たさが以前に比べだいぶ緩和されたような印象を受けたものの、やはり肝心の部分は改革されていないというのが、こうした報道を見聞きするにつけての率直な感想である。

 

  税務署長ともなれば、いくら若くとも、対外的には名士扱いをうけ丁重な接待を受けているというのが実態のようだが、もし宴会で何の疑問もなく床の間を背に美酒に酔いしれているとしたら、税金を納める庶民の気持ちはおろか、部下の職員たちの苦労さえろくに分からないだろう。

 

  松永蔵相も「上座に座らされ、丁重な接待を受ければ、自分は偉いとの意識になってしまう」として、人事制度を見直す方針を明らかにしている。

 

 そもそも、業界に対してあれこれ口をはさむ監督行政の在り方そのものが問い直されているというのに、官僚の特権意識など時代遅れ以外の何物でもない。それに、若いうちは税務署長として祭り上げられるよりは、窓口に座って、確定申告の受け付け業務にあたるなどして、現場の苦労を肌身で感じるほうがよほど有益である。

 

  大蔵省には、松永蔵相の言う人事制度の見直しを一刻も早く実行してもらいたいものだ。

 (読売新聞投書欄より)

 

 

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