解答: 「20代の税務署長」おかしい?

 2000.11.24

 

 この主張の最大の問題は、固有性がないことです。つまり、『上座に座らされ、丁重な接待を受ければ、自分は偉いとの意識になってしまう』のに、年齢は関係ありません。これをもって、二十代の署長は問題とはいえません。

 

 そのほかにも問題点は多くあります。署長も税金を納めているのだから、税金を納める庶民の気持ちがわからないの主張は成立しません。署長とはいえ、やはり部下であり、業務も大変なので、部下の職員たちの苦労さえろくに分からないという主張も成立しないでしょう。一般には、職員たちよりも高級官僚の方が重労働です。

 

 一般企業でも、 採用形式により働く分野は異なります。例えば、ホワイトカラーで採用された方は、基本的には現場で働くことはありません。採用によって担当分野が異なるのです。高級官僚が現場で働かないのは、これと同様です。高級官僚だけを責めるのはお門違いです。現場の苦労を肌身で感じた経験が大事と主張するなら、その経験がどう行政に生かせるのかを示せなければなりません。