その他

2002.7.17

 

あがりを防ぐ

プレゼンテーションでのあがりを防ぐのは、最終的には経験を踏むしかありません。しかし、『伝えたい』という意識が高ければ、それだけプレゼンテーションに熱中するため、あがりにくくなります。もちろん、リハーサルを繰り返すことで、自信をつけておくことも大事です。

 

著者は、通常の講義なら熱意も自身もありますから、何百人を前にしてもあがりませんが、準備していないスピーチなどはあがってしまいます。

 

身だしなみ

内容が人を説得するのですが、身なりが場違いでは人はプレゼンターを信用してくれません。これでは内容に対しても、つまらぬ偏見をもたれかねません。

 

Oscar Wildという小説家は、『外見で人を判断しないのは愚か者だけである。』と言っています。

 

立つ位置に気を配る

プレゼンターは立つ位置にも気をつけましょう。

  • スクリーンの前に立たない

  • スクリーンの向かって右に立つ(右利きの場合)

  • スクリーンから離れすぎない

 

最初の1分が肝心

いったん与えた第一印象は消せません。最初の1分でのつかみが、聞き手をその後も引きつけます。

  • Friendlyに接する

  • ジョークからはいる

  • 質問する

  • 興味深い話をする

  • 卑下しない

 

時間を守る

リハーサルを重ね、必ず時間内に終わることを確認しましょう。万一、プレゼンテーションの途中で時間が来たら、全てを飛ばして結論を述べましょう。

  • 時間が足りないと、強調ポジションを1つ(一番最後)を失います。

  • 強引に続ければ、聴衆のイライラを誘い、悪印象を与えます。

 

ジョークの功罪

ジョークは場をなごませ、プレゼンターに親近感を抱かせるメリットがある一方、危険とも背中合わせです。プレゼンテーションに不慣れな方は、自信があるネタ以外は使わない方が無難です。白けたときのためのリカバリーも、できれば前もって用意しておくとよいでしょう。

 

ジョークネタで一番安心なのは、自分です。自分の失敗談などがよいでしょう。他人ネタは、聴衆がその当事者ということもありえます。

 

聴衆を起こす

聴衆が寝てしまったら...

  • 休憩する

  • 脱線する・ジョークを言う

  • 知的好奇心を誘う話をする

  • 声に強弱をつける

  • 指示棒でスクリーンをたたく

聴衆が寝るのはプレゼンターの責任です。プレゼンターの話し方が、あるいは内容が読み手の眠気を誘っているのです。聴衆が寝てしまった場合は、プレゼンターは大いに反省して欲しいです。(大学の先生などで勘違いされている人もいますが...)

 

理想的なプレゼンテーションは、聞けば聞くほど目がさえてくるというものです。なかなかその域には達しませんが...

 

質疑応答

わかりにくい質問、または少しでも誤解の余地を感じる質問は、質問内容を言い換えて確認しましょう。これを怠ると、回答した後に質問者から『そうではなくて...ということをお尋ねしているのです』という間抜けなQ&Aになってしまいます。

 

質問は、全部聞いてから答えましょう。質問者の質問を遮って回答しないように。ピントのずれた回答になりかねません。

 

一人の質問者が一度に複数の質問をする場合は、その内容をメモに取るようにしましょう。たった2つの質問でも、1つ目に回答しているうちに2つ目を忘れてしまいます。質問者に『二つ目は何でしたっけ?』などと聞かないように気をつけましょう。

 

正直に回答しましょう。知らないことは知らない、または後で調べて回答すると答えましょう。不誠実な回答は後で問題を引き起こしたり、信用を失うもとになりかねません。

 

回答が複雑になりそうであったり、一人がたくさん質問するような状況になったら、プレゼンテーション後に個別に対応することも考慮しましょう。

 

Q&A用にスライド一覧を手元に用意しておくと便利です。

 

敵意ある質問に答える

明らかに敵意をむき出しにして質問してくる人がたまにいます。次のような対応をとるとよいでしょう。

  • 話をそらせる(話にならないような人物のときに使います)

  • 感謝して受け入れる(指摘事項がどうでもよいことのときに使います)

  • PNPの法則で反論する

    • 指摘の良さをほめる(Positive)

    • 自分の言い分を述べる(Negative)

    • 再度、指摘をほめる(Positive)

 

資料の印刷には配慮を

配付資料は、必ず印刷したものを全ページ確認しましょう。スクリーンでカラーでみたものと、印刷されて白黒になったものでは、かなり変わります。色加減によっては時がつぶれて読めないこともありますので、確認が必要です。

 

配付資料は、1ページに2〜4スライドを印刷しましょう。1ページに1スライドでは、資料が厚くなって、保存に困ります。

 

資料とスライドは一致させましょう。何らかの理由により、配付資料にないスライドを見せる場合は、配付資料にはない旨を述べてから示しましょう。配付資料にないスライドが表示されると、聴衆はそのスライドを探して、配付資料をめくり始めます。(プレゼンターの話を聞かなくなります)

 

スライドショーのTips

パワーポイントのスライドショーでは、次のキー操作を覚えておくとよいでしょう。

P

前のページへ

B/W

ブラック/ホワイトアウト

数字+Enter

指定したページへジャンプ

Ctrl+A

ポインタを矢印に

Ctrl+P

ポインタをペンに

Ctrl+H

ポインタとボタンを消去

E

書き込みを消す

 

パワーポイントのTips

パワーポイントので資料を作成するときには、次の機能を使えると効果的な場合があります。

  • Ctrl+c(コピー), Ctrl+v(ペースト),Ctrl+ドラッグ(複製), Shift+ドラッグ(水平・垂直移動), Ctrl+Shift+ドラッグ(複製かつ水平・垂直移動)を使いこなす。この機能はWindowsソフト共通です。

  • 表示→カラー/グレースケールと選択していくと、カラー表示とグレースケール表示が選択できます。これによって、印刷することなく印刷具合を確認できます。

  • リンクをはることで、関係ページに1クリックで飛べます。

  • 非表示スライドを活用すれば、以前30分でやったプレゼンテーションを、10分でやりたいときなどに、以前のファイルが流用できます。

  • スライドマスタを変更することで、会社のロゴや日付などを全ページに入れられます

  • Tabを活用すことで、行毎に先頭を揃えられます

 

OHPを使ったプレゼン

もはや、文字通り前世紀の遺物になりつつあるOHP(著者はここ数年、OHPでプレゼンしたことがありません)ですが、簡単にポイントを説明します。

  • 次のスライドを手にしてから前のスライドを下ろしましょう。前のスライドを下ろしてから、次のスライドを探すと、スクリーンがホワイトアウトしている時間が長くなります。

  • 同じスライドを2度使うときは2枚用意しましょう。ケチってはいけません。共用しようと思うと、探すのに時間がかかったりして間抜けな感じになりかねません。

  • できれば枠をつけるとよいでしょう。枠にメモ書きできますし、指紋が付くのも防止できます。

  • 使ったスライドも正しく並べておきましょう。Q&Aのときにスライドを探すのが楽です。

  • ブラックアウトは紙を使えば簡単です。

  • 透明シートとマーカーも用意しましょう。補足説明するときは、スライドの上に透明シートを置いて、そこにマーカーで書き込みましょう。オリジナルのスライドに書き込んでしまうと再利用できなくなります。