内容構成技術(論理性)

2005.9.12

  • 聴衆のベネフィットを中心に

  • 正しく並列する

  • 情報を 接続、対応させる

 

聴衆のベネフィットを中心に

聴衆のベネフィットを先に述べましょう。ベネフィットを実現するための手段は、ベネフィットを述べた後で述べます。聴衆は、プレゼンターが話したがっている内容には興味がありません。聴衆は、自分のベネフィットのみに興味があるのです。聴衆は、自分にとってどういいのかを説明してくれないプレゼンテーションを聞く気はありません。
 

ベネフィット中心

  • 『開発工程のこの部分を1/2に短縮できます』

  • 『この経費が30%節約できます』

手段中心

  • 『画期的なアルゴリズムを採用しています。』

  • 『水流の向きを縦から横に変えました。』

正しく並列する

並列させるときは、同じ種類の物を、同じレベルで、同じ形で、意味ある順番に並べましょう。異なる種類のものが並んでいると論理性がおかしくなります。

 

たとえば、ソフトウェアのバグ混入の原因を、以下のように分析したとします。

  1. 数ステップの修正であったので、プログラム全体に対する確認を怠ってしまった

  2. 数ステップの修正では、プログラム全体に対する確認を省略するのが日常的だった

  3. プロジェクトリーダーが不在だったので、不慣れな担当者が最終確認をし、バグを見落とした

この3つは並列しません。2は1の原因です。つまり、2と1は直列です。3つが並列しているのではなく、一部は直列なのです。

 

このように、似ているからといって安易に並列すると、論理性が下がります。

 

情報を接続、対応させる

情報と情報は、明確に関係づけましょう。各スライド間で、関係が明確にわからなければなりません。 接続が甘いと、各スライドの内容はわかるが、プレゼンテーション全体がわからないということになりかねません。

 

たとえば、最初に示した問題点は、提案するソリューションで本当に解決するか確認しましょう。これは、問題点が複数ある場合、特に大切です。できれば、ソリューションを示した後、先に示した問題点が、そのソリューションでどう変わるか、具体的に示しましょう。これを怠ると、提示したソリューションでは、先に示した問題点がすべては解決しないということになりかねません。

 

プレゼンテーションでは、情報と情報の接続や対応が甘くなりがちです。なぜなら、プレゼンテーションでは、スライドというプレゼンテーションの部分しか見ずにロジックを組むからです。スライドの完成にばかり目がいき、スライド間の関係をおろそかにしがちです。文章では、前後を絶えず見ながらロジックを組むので、プレゼンテーションに比べると問題は少なくなりがちです。