データを検証する

 2002.8.25

 

データはあればよいというものではありません。主張を正しくサポートしていなければなりません。また、データは取り方によって変わります。バイアスが入ったデータでは正しく主張をサポートできません。

 

データは主張をサポートしているか?

データは主張をサポートするだけの情報を含んでいなければなりません。

 

不十分な例:

    『A社が成功したのは、経費削減を徹底したからだ。A社では、契約社員と時給による契約ではなく、1業務あたりいくらというような契約をしている。』

 

統計データに問題はないか?

統計データというだけで信用してはいけません。統計データといえども取り方により、いかようにも操作できるものです。また、バイアスが含まれているデータにもかかわらず、そのバイアスに気がつけなければ、間違った結論を導きかねません。統計データを扱うときには以下の点に気をつけましょう。

  • サンプルの母数は十分か?

  • サンプルにバイアスはないか?

  • サンプルはウソをついていないか?

  • 結果に偏りはないか?

  • 平均に回帰しただけではないか?

  • 質問に特定回答への誘導はないか?

  • 質問者による影響はないか?

  • 精度は過去と同一か?

疑うべき例:

    『当社のダイエットコースを実践された方は、3ヶ月で平均6.3kgの減量に成功されました。』

    『昨年一年間、当塾で勉強されたお子さんの80%が、塾の勉強が学校の成績を上げるのにとても役だったと答えています。』

 

データには比較と絶対値があるか?

データは、比較対照と絶対値の両方があってはじめて意味をなします。絶対値だけで比較がないとか、比較だけで絶対値がない状態では、何も言っていないのと同じです。

 

比較がない:    

    『100匹のラットに、遺伝子組み替えをしたジャガイモばかりを食べさせたところ、発育不良や奇形が20%の確率で発生しました。』

絶対値がない:  

    『本施策により、不良率が従来の半分になりました。』