データから仮説を立てる

 2002.8.25

 

論文などではデータから仮説を立てることも多いでしょう。このとき先入観を持っていると、とんでもない仮説を立ててしまうことがあります。このようなことは、大学教授でも犯しがちですので注意しましょう。データから仮説を立てるときには以下の三点に気をつけます。

  • 第3の因子はないか?

  • 因果を取り違えていないか?

  • 単なる偶然ではないか?

 

第3の因子はないか?

2つの事象に相関関係があるからといって、そこに因果関係があるとは限りません。2つの事象に共通する第3の因子があると、因果関係のない 2つの事象に相関関係が見えてしまいます。この相関関係を因果関係と早とちりしてはいけません

 

 『アイスクリームが売れると、水虫患者が増える。アイスクリームが水虫の原因?』

 

因果を取り違えていないか?

AとBという二つの事象に相関関係があり、第3の因子がない場合でも、AがBの原因と思いこんではいけません。BがAの原因の場合もあるのです。

 

『王監督の眉間のしわがなくなった。丸くなったのが、ダイエーが強くなった原因?』

 

 

単なる偶然ではないか?

二つの事象の相関関係は、統計的に優位さが見られない限り、因果関係とするには大きな危険があります。単なる偶然かもしれません。

  • 『幸福のペンダントを買ったら、恋人ができた。』

  • 『特殊なキノコを服用したら、アトピーが治った。』

  • 『ある人の夢を見たら、翌日その人の訃報が届いた。』