主張をストレートに論じる

 2002.8.25

 

論理的な主張をするためには、まず、主張を明確にしなければなりません。なにが言いたいのかわからない主張は論理的になり得ません。

 

次に、主張と関係のあることだけを論じなければなりません。すべての文と文、パラグラフとパラグラフは互いに明確な意図を持ってつながっていなければなりません。この関係がわからなければ、不要な情報と見なされます。不要な情報があれば、それだけ論理的でないと判断されます。

 

悪い例

以下は、『地方公務員昇任・昇格試験論文対策 合格者が書いた「合格レベル論文」実例集〈Part2〉』 「4ウェイ方式」論文通信添削研究会  公人の友社 の中で、よい例として上げられている小論文の最初のパートです。しかし、第2パラグラフと第3パラグラフがつながりません。不景気の中で高い業績を上げた民間企業があることと、公務員の事務の効率化と何の関係があるのでしょう?非論理的な文章です。

    1 質の高いサービスを提供するために 

     

     現在、わが国の経済は、大手金融機関が破綻するなど、景気は停滞し、先の見えない不透明な状態が続いている。

     

     しかし、この景気が停滞した時期でも、過去最高の利益を記録した企業は数多くあるという。様々な自己変革と的確な市場ニーズの調査、そして困難な状況下でも、リスクを恐れず事業を開拓してきたことにより、高い業績を上げてきたのである。

     

     都政に携わる私たち職員も、東京の町の活性化や、都民が今何を望んでいるかを考え、自己改革とチャレンジ精神をもって仕事にぶつかり、質の高いサービスを提供していかなければならない。そして、それを実践するためには、職場における事務の効率化を推進することがなによりも重要である。