世間は論理的か?

 2000.6.26

○首都機能移転の意義と効果

 

1 東京中心の社会構造が変革されること

    明治以降、政官民一体となって東京を頂点として富国強兵、殖産興業に専念してきた体制を改めることにより、東京中心の序列意識が崩れ、人々や企業の東京指向が緩和されること。

      もはや『政官民一体となって東京を頂点として富国強兵、殖産興業に専念』とはいえない。したがって、改めるべき体制そのものがない。仮にそのような体制があったとしても、首都機能のあるなしと、富国強兵や殖産興業との因果関係が示されていない。

2 新しい政治行政システムが確立されること

    政治・行政機能が自ら率先して移転し、物理的に政治・行政の中心地と経済の中心地を分離することにより、規制緩和や地方分権等国政全般の改革を推進する牽引力となること。

      首都機能が移転されるだけで、なぜ規制緩和や地方分権等国政全般の改革を推進する牽引力となるのか。

3 新たな経済発展が図られること

    首都機能移転への投資は、幅広い内需の拡大と持続的な技術革新を促し、広く内外に、さらに後の世代にまで及ぶ経済的波及効果をもたらし、また、貿易不均衡の是正を通じて、諸外国との経済的軋轢を緩和することができること。 

      新規に建物を建てるだけで、なぜ技術革新を促すのか。

      なぜ経済波及効果が貿易不均衡を是正するのか。

      その経済波及効果は貿易不均衡を是正するほど大きいのか。

      なぜ場所を移す必要があるのか。(このことに限れば、現状の建物を建て替えるだけで目的は達成される)

4 国土構造の改編が進むこと

    東京の優位性が相対的に低下することなどにより、東京への吸引力が減殺され、東京への集中が集中を呼ぶメカニズムが打破されること。また、重層的、複合的な情報通信・交通ネットワークが形成されること。 

      集中がどのくらい緩和するのか。(新種との人口予測は約60万人なので、東京のわずか5%にすぎない)

5 首都機能の災害対応力が強化されること

    東京と同時に地震等の大規模な災害を被る可能性の少ない場所へ首都機能を移転することにより、リスクを分散し、国土の災害対応力の強化を図るとともに、首都機能移転跡地を活用することにより、東京の防災性の向上にも資すること。 

      東京に大地震が来た時に、迅速な対応が取れるメリットは認められる。

      オフィス街にある首都機能跡地で、どの程度、東京の防災性が向上するのか。