本書の特徴と使い方

 

 本書は、ビジネスの現場で欠かすことのできない「書く技術」を身につけるためのノウハウ書ですが、見本集としての要素も含んでいます。本書では、効果的なビジネス文章をつくるために考慮すべき七つの法則をあげて、文章作成に必要な考え方や情報の整理の仕方、文章構成のコツなどについて解説しています。本書の文章はすべて、この七つの法則に基づいて作成されています。

 

 試しに64, 65ページを開いてください。本編で解説する次の7点に考慮しているかどうか、確認してみましょう。

  1. すべての項目の始めに、これから何を述べる一総論)かを述べているか?また、項目の中でも、ある程度の情報のまとまりには総論を述べているか?

  2. 段落単位で論理を構成しているか?

  3. 段落ごとに、ほぼ必ず要約文を先頭においているか?

  4. 文章の展開は、既知から未知の流れを守っているか?

  5. 同じ種類のものは同じスタイルで表現一ハラレリズム)しているか?

  6. 一つの文では一つのポイントだけを述べているか?

  7. 誰もが同じ理解になるように表現しているか?

解説の図は省略

 

 いかがですか。すべての点において、効果的なビジネス文章の条件を満たしていることが確認できたと思います。このページに限らず、ほかのどのページを開いてみても、この7法則が守られているはずです。したがって、どう書いたらよいか悩んだときは、本書の文章を参考にしてください。効果的な文章を作成する上で、よい見本となるでしょう。

 

 7法則の「7」という数字にも実は意味があります。これは、人が短期的に覚えられる数が7±2である(122ページのコラムを参照)ことを考慮してのことです。つまり、7項目なら比較的簡単に習得できるだろうと考えたからです。

 

 今後はぜひ、この7法則を意識して、日ごろの文章作成にあたってください。はじめはうまく書けないかもしれません。しかし、7法則を意識して文章を作成しているうちに、7法則がやがて血となり肉となり、必ず効果的なビジネス文章が書けるようになるはずです。