推奨図書

1999.12.9

日本語の文章作成に関する本は、非常に多く出版されていますが、残念ながらまともなものは一握りしかありません。しかも、これさえ読めばというバイブルはなく、複数の本を読み、良い部分だけを習得していかなければなりません。

 

書く技術・伝える技術 あさ出版 倉島保美

文章構成やパラグラフ構成について、ポイントを絞って詳しく書かれています。例文や演習も多く実用向きの一冊

コミュニケーション技術 中公新書 篠田義明

日本におけるテクニカル・ライティングの大家である早稲田大学篠田教授の書です。文章構成やパラグラフ構成について詳しく書かれています。なにはともあれ、この本だけはお読みになることをお勧めします。

成功する文章術 ごま書房 篠田義明

語句レベルから文章構成まで、幅広く読みやすい構成で説明されています。かなり初歩的なことも説明されており、「コミュニケーション技術」よりは、初心者向けです。

論理的に書く方法 日本実業出版 小野田博一

コミュニケーションよりも論理性に重点を置いています。日本人が犯しがちな誤りを端的に指摘しいます。コラムの文章が、ライティング的にしっかり書かれており、私も講義の中で好例として紹介しています。

報告書作成法 日刊工業新聞社 野村俊夫

文章レベルから語句レベルまで、基本概念から実例文まで、幅広く丁寧に解説しています。テクニカル・ライティングをベースにかかれており、内容もしっかりしています。内容が豊富なだけに読み切るのが大変ですが、必読の書といえます。

論理的思考 メヂカルフレンド 宇佐美寛

論理的に考えることと、それを論理的に書くことについて書かれています。ある論文誌に、その論文誌の論文がおもしろくないと思う理由について投稿するなど、歯に衣着せぬ批評がおもしろいです。

理科系の作文技術 中公新書 木下是雄

ライティングの世界ではバイブルとして超有名です。内容も全体構成から語句レベルまでの全てをカバーしています。理科系の方はもちろん、理科系でない方も一読の価値があります。

レポートの組み立て方 ちくまライブラリー 木下是雄

「理科系の作文技術」を理科系に限らず、レポート全般を対象に書き直したものです。

理科系のための英文作法 中公新書 杉原厚吉

英語を書くための本ですが、理論的には日本語も英語も同じなので参考になります。「古い情報を新しい情報の前に出す」という理論が書かれている数少ない日本語文献です。

こうすればわかりやすい表現になる 福村出版 海保博之

認知心理学について、素人向けにやさしく書かれています。「こう書くとなぜ効果的か」のなぜがよくわかります。

悪文 日本評論社 岩淵悦太郎

パラグラフレベルから語句レベルまで、悪例を豊富に掲載した古典的名著です。体裁がいかにもオールドファッションなのが少し残念です。

日本語の作文技術 朝日文庫 本多勝一

ライティングの世界では比較的有名な本です。文や語句のレベルのことについて詳しく書いてあります。文章構成やパラグラフ構成についてはほとんど書かれていないので、文章全体の質の改善にはあまり効果がありません。